突然の後肢麻痺。椎間板ヘルニア。

椎間板は背骨(脊椎骨)の間に存在し、強い力が加わったり水分を失い脆くなったりすると髄核(椎間板の中心にある物質)が飛び出し、脊髄神経を圧迫します。
症状は痛みだけのものから歩行困難まで様々です。突然、キャンと鳴いて後ろ足で歩けなくなるような場合は、すみやかな対応が必要です。
また、震える・恐る恐る歩く・でも歩く事はできる、という子でもその後突然歩く事ができなく子もいますので注意が必要です。
今回の患者さんも、最初はどこか痛そうなだけでしたが、その後歩行困難となりました。深部痛覚が無くなるという、一番重症な状態でした。

 
 
 
CT画像です。白い造影剤のラインが途切れている事で、第2−3腰椎間の椎間板の髄核が第3腰椎椎体の方に飛び出し、右側から圧迫されているのが分かります。
1

 
2

 
 
 
右側から椎体骨を削って、脊髄神経を露出し飛び出している髄核を取り除きます。
切削

 
切削2

 
脊髄

 
 
 
飛び出していた椎間板の髄核です。この子は、術後約2週間くらいで歩行ができるようになり、現在ややふらつきはありますが元気に歩き回れるようになっています。
髄核

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