水の飲み過ぎ。もしかして病気のサインかも。

最近よく水を飲むんです。
 
器が空っぽになることも。
 
そんな声を聞くことがあります。
 
よくよくき聞いてみると
 
トイレシートがびしょびしょになったり
 
トイレの砂のかたまりが大きくなっていて
 
おしっこの量も増えていることがわかることもあります。
 
確かに夏は暑いので多少は増えるかもしれませんが
 
もしかしたら、病気のサインかもしれません。
 
まずは飲水量をはかってみて下さい。
 
計量カップで量をはかった水が24時間後どれくらい減っているのか…
 
実はどれくらい飲んでいるのかはからないとわからないものです。
 
ワンちゃんは20〜80ml/kg/日であれば
ネコちゃんは0〜45ml/kg/日であれば正常です。
 
5kgのワンちゃんであれば1日の飲水量が100〜400mlであれば正常です。
3kgのネコちゃんであれば1日の飲水量が0〜135mlであれば正常です。
 
では、水をよく飲むとどんな病気の可能性があるのでしょうか。
 
腎不全、肝不全、糖尿病、
子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症、
副腎という臓器からホルモンが出過ぎてしまう副腎皮質機能亢進症、
高齢のねこちゃんに多く、ご飯をよく食べても痩せていく甲状腺機能亢進症
 
など実はたくさんあります。
 
 
11歳のワンちゃん、お腹が張っている、飲水量が多いという主訴で来院しました。
 
血液検査を行うと肝臓の数値の上昇、
尿検査では尿比重の低下、
レントゲン撮影では肝臓の腫大、
超音波の検査では副腎の腫大が認められました。
 
通常、小型犬では最大短径6mmまでと言われています。
 
副腎L
 
副腎R
 
左右ともに6mm以上になっています。
 
副腎皮質機能亢進症いわゆるクッシング症候群を疑う症例でしたので、
 
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激試験を行い、
 
クッシング症候群と診断しました。
 
クッシング症候群には2種類あり、
 
脳下垂体から副腎を刺激するホルモンが過剰に出てしまい、結果として副腎からホルモンが過剰に出てしまう下垂体依存性(PDH)と
 
副腎に腫瘍ができ、ホルモンが過剰に出てしまう副腎腫瘍性(AT)があります。
 
PDHとATを区別するには
 
超音波検査で副腎の形、大きさを見る必要があります。
 
副腎が左右共に形を崩さず(正常のわんちゃんの副腎は左がピーナッツ型、右がコンマ型)に大きくなっている場合はPDHであり、
左右片方だけが球形などに大きくなっている場合はATになります。
 
このわんちゃんはPDHでした。
 
今は副腎から出るホルモン量を抑える薬を飲んでいます。
 
ただこの病気は維持するのも難しい病気です。
 
薬が効きすぎてしまった場合、致死的な状態になりかねません。
 
毎日の飲水量の確認と定期的なACTH刺激試験が必要です。
 
 
 
13歳のネコちゃん、1日500ml以上水を飲んでいるとの主訴で来院しました。
 
尿検査では尿糖陽性。
 
ここから糖尿病が疑われます。
 
血液検査でも血糖値の上昇が認められました。
 
さらに、ストレスで一時的に血糖値が上がるようなこともあるので、
 
それと区別する為に持続的に血糖値が高かったのかを測定することができるフルクトサミンも測定しました。
 
フルクトサミンも高値であったので、このネコちゃんは糖尿病と診断しました。
 
糖尿病の治療はインスリン注射になります。
 
インスリンの投与量はそのネコちゃんの状態によって異なります。
 
数日間入院をして、一日を通して血糖値をモニターすることで投与量を決めていきます。
 
糖尿病の治療で一番怖いことはインスリンが効きすぎてしまい、低血糖になってしまうことです。
 
その為、数日間入院してもらう必要があるのです。
 
1日を通して最低の血糖値が100〜200mg/dlの間になるように調節します。
 
簡単に言っていますが、これはなかなか難しいです。
 
ネコちゃんが脱水していたり、ご飯を食べてくれなかったり、
 
膵炎を持っていたりすると血糖値は安定しません。
 
一度、血糖値の調節がうまくいっても、1〜2か月後にそれがうまくいってるかもわからないので、
 
こまめなチェックも必要です。
 
家でも飲水量や尿ペーパーでの尿糖のチェックをしてもらう必要があります。
 
チェックをしてもらうことで、血糖値がどうなっているのか予測をし、
 
実際血糖値を確認することで早めにインスリンの量を上げたり下げたり調節ができるのです。
 
また、ネコちゃんの糖尿病ではインスリンが必要なくなることもあります。
 
実際、このネコちゃんはインスリンが一度必要ではなくなりました。
 
ただし、再発することもあるので、常に飲水量のチェックは必要です。
 
 
 
一度飲水量を確認してみてください。
 
飲水量の確認の方法ですが、
 
毎日同じ時間に飲み水用の器に水を計って入れてください。
 
次の日の同じ時間に残っている水の量を計ります。
 
これで1日の飲水量がわかります。

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